利根川の民謡
〈下総は唄の国〉

河川工事の仕事唄

利根地固め唄

 利根川の河川工事では、土羽打ち(どはうち)、石だこ打ち、杭打ち、の三つの作業に、それぞれ唄がうたわれておりました。
 土羽打ちとは、唄にあわせ細い丸太で堤防の法(のり)面をたたいて固める仕事です。
 石だこ打ちは、石臼状の丸石に八本の引き綱をつけ、うたにあわせて石を上下させ、土をかためていく仕事です。この綱の数をタコの足にみたてて「タコ」と称しました。
 杭打ちは、三脚を立ててモンキ(分銅状の重し)を下げ、これを引き上げたり落としたりして、杭を打つ仕事です。
 祝い唄=結婚式や上棟式などで、これらの仕事唄が祝い唄としてうたわれました。
 これらの曲数は、利根川流域に30曲以上はあるでしょう。その唄と動作については、これ以後の更新のたび、いろいろとご紹介していきます。
 お楽しみにお待ち下さい。

芦原修二(2001年9月1日)


芦原修二解説による利根地固め唄保存会の歌唱

 たいへん貴重な音源を発見しました。芦原修二さんの肉声の音源です。残念ながら映像はなく、音源だけですが、YouTubeにアップされていました。よもやこのような音源が残されていたとは思いませんでした。いや、どこかにあるかもしれないとは思っていましたが、インターネットで聴けるとは思いませんでした。芦原修二さんの在りし日を知る者にとっては感涙ものです。しかも、まだ50代なかばのころで、利根地固め唄保存会も設立間もないころのパフォーマンスです。
(「利根地固め唄保存会」の設立は平成元年4月14日)
・・・☆・・・☆・・・
利根地固め唄保存会による堤防工事の唄と結婚式の祝い唄
(解説:芦原修二)
」(By Mosaku Anchu)
平成元年(1989)11月5日、「茨城ふるさとまつり」(茨城県つくば市クレオスクエア)にての録音
(収録時間)
03:48〜05:35 土羽打ち唄(一つ打ち)
06:33〜07:08 石だこ打ち唄
07:55〜09:24 固め唄(利根町立木)
10:04〜12:43 固め唄(利根町押付本田)
13:04〜14:34 固め唄(利根町立木)

西山正義(2022年4月6日)


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制作・監修=利根地固め唄保存会理事・芦原修二

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