利根川に岐阜の民謡「おばば節」 |
伝えたのは加納久右衛門が寛文のころ |
第1章 利根と岐阜のおばば |
おばばどこへ行く 嫁の在所によー これは利根川の河川工事でうたわれていた仕事唄の一つで「たこ打ち」作業でうたわれました。また結婚式の祝い唄にも転用され、披露宴の出し物がすべて尽きたのちうたわれました。もしまだ宴の途中でうたうと、まだ早いととめられるのが、ならわしになっていたといいます。 おばばどこ行きゃるなー ナーナーナー 嫁の在所へなー ナーナーナー 岐阜では、宴会の祝い唄として盛んにうたわれ、ここでも宴の最後をしめる唄として大事にされていたといいます。またその発祥の地といわれている揖斐町では、祭りの踊りうたとしても近年盛んにうたわれているとのことです。「ヒュル ヒュル ヒュー ドンドン ドン」という歌詞は、孫の土産におばばが持っていったデンデン太鼓(たいこ)と笙(しょう)の笛の音を表現しているのだといいます(揖斐町・矢下勇珀氏談、ならびに資料提供)。 |
芦原修二(2005年) |